『クワタを聴け!』
『ジョン・レノンを聴け!』『ディランを聴け!』などで知られる著者が、少し視点を変えてサザンオールスターズのヴォーカル・桑田佳祐氏の手に掛かった全曲を片っ端から批評していくというなかなか読み応えのある本。「クワタ」と片仮名なのが玄人風味(笑)
「クワタなんか全部洋楽のパクリじゃないか!」という批判をアウフヘーベンして、「そのパクリ方=選び方と構成力、センスにこそ彼の<天才>たる所以があるのだ」と切り返すのが、この書の主な目的。
僕のようにサザンを入り口にして音楽にはまり込んでいった人間にとっては、パクリも何も関係なく、サザンがスタンダードでありオリジナルになってしまっているのだが、こういうまったく別の角度から作品を吟味できるのは嬉しい。
ソロ、クワタバンド、サザンが全部混ざって年代順に並んでいるので、歴史的変遷を辿れるのも良い。(どうせならシングルとアルバムも一緒にしたら分かりやすかったのに)
『クワタを聴け!』中山康樹・著 集英社新書0380F