日本国憲法ダイジェスト
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日本国憲法ダイジェスト
今日は憲法記念日でございますからね。
憲法の中から私の気になる部分をピックアップして概観していこうというわけです。
政府による一方的な論理でね、国民投票なんてされちゃたまりませんから、一応憲法がどんなものかぐらいは広めておきたいというね、ささやかな抵抗活動ですよ。
いっときますけど僕は文学部ですからね。法律は殆ど頓着無しなうえ、世界史受験だから日本史も殆ど分かってませんよ。
ちなみに参考は
こちら
のページ
前文
日本国民は、正当に選挙された〜
泣く子も黙る憲法前文でございます。中学のとき暗唱テストがありましたもんです。
あの時は必死で、一字一句間違えないように覚えましたが、今になって斜め読みしてみると、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」なる三原則の理念が、長々と述べられている感じですね。
最後の締めとして「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」ってカッコよく決めてますけど、この「名誉」なるものが何なのかという考え方の違いをめぐって政治論争が起こるんだろうなと思ったりします。
第一章第一条(以下、「1.1」の様に表記する)
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
いきなり天皇から始まるんですよね。最初はビックリしたものですが、要は戦争終わって「天皇どうする?」ってのが大きな問題だったと、そういうことですね。以下、天皇は国事行為だけですよぉ、ってのが第八条まで続きます。
2.9
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この条文では、海外に軍隊を派遣して戦争をこじらせたとしても合憲っていう(笑)、まぁありがちな言葉遊びですね。憲法中でも最も有名な部分であります。
3.12
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
国民の自由と公共の福祉がぶつかったときにどっちが優先されるかって問題は、これ全くファジーなのであって、法律で全部上手くいくと思うなよっていう代表例ですね。
それでも言葉を尽して、客観的に万民が納得できる形で秩序を形成せむとする「法」なる営みは素晴らしいと思いますが、その辺の詳しい事情は前述のように無勉強であります。
3.15.2
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
個人的に何となく好きな文面。ここでいう「全体」とは何でしょう。日本国民全体か。世界市民全体か。或いは全宇宙か。
「誰かが泣けば誰かが笑う、世界は常にプラマイゼロ」という仮説が成り立つ中で、根拠も何もなく「全体の奉仕者」と高らかに謳う憲法、なんかよくないですか。
3.25.1
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
これも9条に次いで有名な文面じゃないでしょうか。「健康で文化的な最低限度の生活」。抽象的ながらなんともしっくりくる言い回しです。
ちなみに第三章のこの辺の条文は「○○の自由はこれを保障する」というものが多くて、非常に理念的、例えば学問の自由といったってどういう仕組みで以ってこれを保障するのか、或いはどういう状態を「自由に学問できている状態」と認めるのかについて何も言っていないのであって、つまり何が言いたいのかというと、憲法というのは理念的なものでありますから、あまり時代が変わったからといって替えるべき様なものでもないのですよ、と。替えるべきところは法律に委任してるわけですからね、と。まぁそれだけでもないのは分かりますが。
4.41
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
第四章は国会です。ちなみに以下、内閣、司法、と続いて、モンテスキューの三権分立を見事に体現しておるわけです。
国会に関しては、この後に両院制の採用などが決められ、まさに国家の骨子が作られている感じです。
この間の授業で、「議員定数が法律に委任されてるのに、任期が4年6年と憲法で決められてるのは何故か」と問題提起されたんですけど、何故でしょうね。はっきりした答えは無いみたいな言い振りでしたが。
4.51
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
この条文は意外な気もするし、まぁそうだよなという気もする。世間の目というやつの前で「責任」なるものはどういう意味を持つのか。
5.66
1 内閣は、法律(内閣法第二条)の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
「文民」なる言葉は、もうここ以外では殆ど見ませんねぇ。「軍人」の対義語ですけど、何だか軍人が読み書き出来ないみたい。
6.76
1 すべて司法権は、最高裁判所及び法律(裁判所法)の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
二項では、「特別裁判所」という概念を提示しておいて、すぐに打ち消すという、一見ナンセンスな面白みがあるが、そういうことではなくて、裁判所以外で裁判やっちゃぁいけませんよってことで、これは重要だ。じゃあ裁判所って何?裁判をするところ!という風に無邪気に答えてしまってはトートロジーなんですけれども、実はこの矛盾は法律そのものにも当てはまっていたりして(国会しか法律を制定できない。じゃあ法律って何?国会で決められたルール!)。
三項もなかなか心に染みる条文で、「憲法及び法律にのみ」と言いながらも、そこで「良心」にも重きを置くという絶妙のバランス感覚。
7.83
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
8.92
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律(地方自治法)でこれを定める。
というわけで、第7章財政、第8章地方自治と続きます。まぁ特に見るところはないかな?
9.96
1 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
1項の「国民投票」をめぐって今すったもんだしておるわけですが、それは置いておいて、2項がものすごいことになっています。「国民の名で」?「この憲法と一体を成すものとして」?いまちょっと調べてみましたが、この部分に関してはいろんな議論がわき上がっており、我々普通の人間には、もうワケがわかりません。皆さんも自分で調べてください。(ぉ
10.97
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
10.98
1 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
というわけで、第10章最高法規ってことで前文と似たようなことを念押しして、憲法おしまいです。ていうかこの「永久の権利」とかっていう文言も、改正しようと思えば問題になるわな。どうしたって非論理的な問題になりますから、我々の思考停止に付け込んで為政者がとんでもない方向に国を持っていったのではいけない。何とか「良心」とやらに信頼してうまくいかないものかと考えるのであります。
最後におまけとして、憲法以上に生々しい戦後のメッセージとして私が気に入っている玉音放送を紹介して終わります。政治的に手放しで素晴らしい!とは思いませんが、文章的になかなか感動的。「他国の主権を排し領土を侵すが如きは固より朕が志にあらず。」
こちら
(リンクに頼ってばかりでいかんなぁ)