人気者で行こう/サザンオールスターズ |
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2007年04月29日(Sun)
人気者で行こう/サザンオールスターズ
人気者で行こう(アマゾンに飛びます)
1984年発売、サザンオールスターズの7thアルバム。 サザン史的に見ると、5th『NUDE MAN』と7th『KAMAKURA』という二つの大作の間の時期に当たり、地味な存在と言えなくもないが、過渡期にありながら比較的安定して名曲が生み出されており、ファンからの人気は案外高い。 「過渡期」という言葉を使ったが、この時期のサザンは、シンセサイザー等の電子楽器を如何にサザン・サウンドの中に導入するかという課題に腐心していた。その大きな集大成が『KAMAKURA』ということになるのだが、その最初の萌芽は6th『綺麗』に現れていた。すなわち『綺麗』には実験作的意味合いが強く、売り上げ的にも多少揮わないところがあったのだが、そこへきてこの『人気者で行こう』、タイトルが示すように(?)恐らく桑田氏のなかには「今度はちょっと売れるやつを作ろうや」という意識があったのだと思う。こういったバランス感覚は、彼がポップスターとしてあり続ける必須要件となっていると思われるのだが、それはともかく、前作の電子音路線で得たものをさりげなく生かしつつ、全体的には聞きやすいものとなっているのが今作最大の特長だと思う。 ここで注意しておきたいのは、「売れるもの:売れないもの=ポップなもの:音楽的にマニアックなもの」という図式は、この時期のサザンには当てはまらないと言うことである。売れないもの=実験的な作品は、桑田氏自身にとっても手ごたえが無いのだと思われる。郵政民営化選挙よろしく、ファンに「こんなん出来ましたがどうでしょう?」と問うているようだ。それに対して『人気者で行こう』の桑田氏は、自分の血肉となっているものの中から、全く毛色の違う雑多な音楽を確信犯的にぶつけてくる。したがって音楽的には非常にマニアックである。むしろ多くのサザン・ファンというのは、色々なタイプの曲をやりたい放題にやるサザンを望んでいるのではないだろうかとも思われる。 ジャケットは、笠をかぶった男の背中にへのへのもへじ。『人気者』とは、ただ大衆に媚びるのでなく、わが道を突き進むことで大衆を従わせてしまうものなのだ、という哲学が現れているような、いないような…。 JAPANEGGAE (ジャパネゲエ) (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 矢口博康) のっけからコレだ。タイトルは「JAPAN+REGGAE」の造語であるが、レゲエの感じはなく、これは何なのだろう、とにかく私のボキャブラリーには無い曲調だ。歌詞も今までに無いくらい、全面的に古語であり、しかもそれが英語に聞こえるというお得意の手法で、言葉の意味よりも雰囲気重視。この歌詞だけで職人芸である。 よどみ萎え、枯れて舞え (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) 上に「シンセ控えめ」的なことを書いたが、この曲を聴く限りそうでもないような気もする。ただ、より自分のものとして身についてきたということだろうか。シンセのフワフワ音がこの曲の"お洒落感"を引き出していて良い。このアルバムは歌詞カードが桑田氏の直筆なのだが、彼の流れるような字体が非常にこの曲調とマッチしているように思うのは私だけだろうか。あと、「chap.chap.chap. Pow!」の部分にマイケル・ジャクソンを思うのは私だけだろうか。 ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY) (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎) 世間では名曲の誉れ高いにもかかわらず、個人的にはそれほどでもないんでない?という曲が時々あるが、私にとってはこの曲がまさにそれである。別に嫌いではないのだが…。本アルバム中唯一シングル化されている曲ということで、世間の認知度も高く、84年時点ではイントロのピコピコがセンセーショナルだったのだろうと察するが、どうだろう。 酷評を浴びせつつも、Aメロの語感の良さは特筆に値すると思う。二音の繰り返しだけにもかかわらず聴かせてしまうのは、ひとえに言葉の魔力である。 余談だが、間奏に混じって聞こえる桑田さんらしき声が何を言ってるのか全く聞き取れない。 開きっ放しのマシュルーム (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 矢口博康) カラオケで歌うと自分だけ盛り上がれる曲(笑)ヴォーカルのキレぐあいが最高である。後半にかけてもっと展開があってもいいような気もする。ちょっとだれる。是非ともライブで聴いてみたい一曲。 あっという間の夢のTONIGHT (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) 前曲からの雰囲気の切り替わりが、あまりにも"してやったり"の感アリ。昔、カセットでサザンの裏ベスト的なものを作ってやろうと遊んでたんですが、そのときに一曲目をコレにしていた気がする。かなり好きな一曲。キーボードもベースもボーカルも、遊び心一杯でバンドとしての充実ぶりが窺える。 シャボン (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:八木正生) 原由子ヴォーカルの昭和歌謡。各アルバムに大体一曲入っているハラボー曲であるが、今作はそれらの中で比較的地味め、というかニュートラルな存在感である。八木正生氏が弦編曲ということで、コテコテのオーケストラワークが骨の髄まで染み渡る。間奏のトランペットソロ(確証なし)が、ものすごく叙情的でよろしい。 海 (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:新田一郎) 「ミス・ブランニュー・デイ」とシングル化を争ったというこの曲。後にベスト版に収められたところを見ると、メンバーの思い入れも深い曲なのだろう。まぁ前述の「センセーショナル」という観点からも、「ミス〜」に譲ったのは正解だったのだと思う。美しいメロディーとサックスの絡み合い、"サザンの隠れた名曲"としては出色の作品である。 夕方 Hold On Me (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:新田一郎) 先程の「開きっ放し〜」といい、この時期のサザンのライブに是非行きたかった、と2007年の私は思う。この曲はアンコールの定番だったらしい。微かにノスタルジックな曲調的にも、ヴォーカルの音域的にも(笑)、アンコールには最適だろうと思う。アルバム中最もポップで、全てのメロディーが素晴らしく、それらの繋ぎも申し分ない。 女のカッパ (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) 前曲でポップなものをやった後は、流石サザン、学生ファンを思いっきり突き放す(笑)。私も初めてこの曲を聴いたときはどこをどう楽しんでよいのか分からずに、ポカンとしたものだ。否、今でも聴き方は変わらないのだが、考え方がやはり成長したというべきか、このシュールさこそ、この曲の真髄であると思うようになった。「何もしない人が笑える時代」と、歌詞もかなりシュール。 メリケン情緒は涙のカラー (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) 誰が言い出したか知らないが、サザンには「サスペンス・シリーズ」というのがあって、これは『マチルダBABY』に続く第二弾らしい。むしろイントロで「MY FOREPLAY MUSIC」を思い出すのは安直過ぎるだろうか?いずれにせよ初期サザンの香りが色濃く残る一曲。 因みにこれはライブで聴いたことがある。会場が横浜ということで歌詞にピッタリで非常に良かった思い出がある。 なんば君の事務所 (作詞・作曲:大森隆志 編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司) ギター大森氏作曲のインスト曲。作詞をしているはずはないので、上のクレジットは多分間違っている。あと次曲にはちゃんと歌詞がついているのでご注意を。多分ソース元のwikipediaが間違っているのだと思うが、一応放置しておく。 この頃のサザンは、大体各アルバムに一曲ずつインストを入れていた。今作は特に変哲のない作品ではあるが、「一音楽ファン」としてのサザンオールスターズのポジションがよく現れていると思う。 祭はラッパッパ (作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司) ラスト二曲目にして小ネタの感があるが、面白く展開していってなかなか良い曲である。レッチリが祭囃子に迷い込んだ感じ?このようなハードな曲にあっても間奏のピアノソロがやっぱり"ハラボー"なのがいかにもサザンである。 Dear John (作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐・八木正生 編曲:八木正生) 諧謔のポップ・スター、桑田佳祐氏がここまでストレートにジョン・レノン追悼の意を表してしまってはミもフタもない感じがしなくもない。非常に感動的で名曲には違いないが、桑田ソロの感が強すぎて、アルバムの締めとしては少し落ち着かないものが残る。粒ぞろいのアルバムであるだけに残念である。 (参考:サザンオールスターズ公式サイト、Wikipedia)
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